妊娠中に沢山の子育てホルモンが、女性の生命を伝えていく力をはぐくみます。
産後に母乳が出るようになっていく仕組みは、そうした準備に続いて、女性が母と子の無制限なふれ合いの中で発揮されます。
準備のできた母乳を出産後に直接吸われることで、母乳は赤ちゃんのニーズに合った量が出るようになります。その仕組みがしっかりできあがるまでには約2ヶ月かかります。
赤ちゃんが欲しそうにしていたらいつでも与えてください。
母乳育児はお乳の出を、赤ちゃんがコントロールします。
赤ちゃんはお乳をゴクゴクしっかり飲んだり、大人がお茶を楽しむように飲んだり、お乳の口ざわりを食感として楽しんだりしています。
母乳を作って赤ちゃんに差し出すのはお母さんですが、どのように飲むかを決めるのは赤ちゃんなのです。これを「自律哺乳」といいます。
ミルクの場合は、哺乳瓶で与えるので、赤ちゃんは作っただけ飲むことになり、お母さんが量や時間を決めることになります。
まずは、決められた時間や量にとらわれず、赤ちゃんが欲しそうにしたら母乳を与えてみましょう。
授乳を楽しむ、そういう大らかな気持ちをもって、その上で、どうしても、お母さんがつらいと思ったときに、ミルクを足して乗り切りましょう。
定期的にミルクを使うと、授乳・哺乳のリズムができず、母乳を続けることができなくなることがあります。
回答:小児科医 堀内 勁先生
情報提供:ピジョン にっこり授乳期研究会