離乳の完了は、栄養の大部分を母乳以外からとれるようになった状態を言います。それは大体1歳半頃までが目安になります。
しかし、そのことと授乳を止めることとは別です。
卒乳ということばにはお乳から赤ちゃんを引き離すことは避け、赤ちゃんが自分から哺乳をやめるのを待ちましょうという意味があります。
お母さんと赤ちゃんとが、お互いに納得できたときに卒乳となります。
お乳をやめた時期を調べると、1歳未満が2割、1歳半までが5割、2歳が8割で、2歳以上でも授乳している親子は2割ほどいます。この時期の子どもははいはいができ、つかまり立ち、歩きはじめ、ことばめいたことも喋るようになります。
自分のできることが嬉しくて、冒険に飛び出ていきます。
何か困難に出会うと、自分の安全基地であるお母さんのもとに戻り、お母さんに抱かれ、生まれたときから絶対に変わらないお乳を飲みます。安心感を取り戻し、心と体にエネルギーを充填して、再び冒険に飛び出ていきます。絶対に戻れる場所があるという自信が子どもの活力の源になります。
自分の身体や心を整えてくれているお母さんとの直接体験が、子どもの心にお母さんイメージを根付かせます。その時が卒乳の時です。
お乳の後ろにいつも控えていてくれたのがお母さんそのものなのだと気づくのです。
回答:小児科医 堀内 勁先生
情報提供:ピジョン にっこり授乳期研究会