「陣痛」とは、規則的に子宮の筋肉が収縮することで、お産の進行にともなって、より頻回により強くなっていきます。
陣痛が開始した時点を陣痛発来(陣発)といい、医学的には子宮収縮による痛みが約10分ごとに繰り返す、または1時間に6回のペースで訪れた時点と定義されています。
一般的には、その前に「前駆陣痛」と呼ばれる不規則な子宮収縮があります。より頻回により強くなるものではなく、いったん遠のいてしまう収縮で、いわば分娩の予行練習のようなものです。
陣発前にはこの前駆陣痛のほかに、「おしるし」と呼ばれるどろっとしてた粘稠な少量の出血がみられることがあります。これは、子宮収縮により子宮壁から胎児を包んでいる卵膜がはがれることで起こります。
「おしるし」が認められたあるいは「陣痛発来」となった段階では、すぐに病院に入院する必要はありません。
中には陣痛が来る前に胎児を包んでいる卵膜が破れて「破水」することがあります。少量の生暖かい水が漏れることもあれば、バシャっと破れた感じがあり大量に出ることもあります。
そのあと陣痛が自然に始まることが多いですが、破水した場合には陣痛が来ていなくても入院の支度をして病院に行く必要があります。
回答:産婦人科医 笠井 靖代先生
情報提供:ピジョン にっこり授乳期研究会